ちょっと遅くなりましたがHerokuの相澤さんより「プロフェッショナルのための 実践Heroku入門」を頂いたので軽く感想を書いておきます。
ページ数は180ページと若干薄めです。
アドオンやアーキテクチャのあたりはもう少し分量あっても良かったかな、という印象。
わりとすぐに全部読めちゃいます。
一回通しで流し読みした後は逆引きで使えるのが良いです。
ドメインやSSLの設定とかはHeroku使っててもやったことがない人も多いだろうからとっかかりとしてはとても良いと思います。
(ただし、UIとかはわりと頻繁に変わるので概要理解したら一度はDev Centerのドキュメントも見た方が良いです。)
ちなみにHerokuチョット使える身としてはほとんど既知の内容だったんですが、一個だけはじめて知った機能はこれ。
$ heroku logs -r prod
git remoteに複数のHerokuアプリケーションが登録されている場合に「--remote」または「-r」にgit remoteのエイリアスを指定することでアプリを指定できる。
おおっ!
これまでずっと「-a <アプリ名>」でやってたよ。。。
こっちの方が大分タイプ量が減るので便利。(^^v
個人的に一番面白かったのは「はじめに」のHerokuの歴史のところです。僕がはじめてHerokuに触ったのはJavaサポートが入った頃なので、それ以前の歴史は興味深かったです。
あと最後のThe Twelve Factor Appもお勧め。
The Twelve Factor Appはネット上にも日本語訳ありますが、これはWebアプリを開発する人は全員読んだ方が良いと思う位の良プラクティスです。
Heroku使わない場合でも有効なプラクティスなので、できるだけ多くの人に読んでもらいたい。(^^;
そして、これこそが僕がHerokuを好きな理由でもあります。
Herokuを使うと、これらのプラクティスが半ば強制的に適用されるようになっているんですが、何が凄いってそれでいてベンダーロックインにならないんですよね。
Herokuで作ったアプリは割と簡単にAWS等の別の環境に移すことができます。
これは本当に凄いことだと思います。
ベンダーはあの手この手でユーザを自社環境に縛りつけようとするものですが、そのための一番簡単な手段(=うちの環境使うとこんなに簡単にアプリ作れますよー、そのかわり他の環境では動かないけど)を放棄しているので。
逆から言うと、Heroku以外の環境を使う場合でもベンダー独自機能の誘惑に負けずTwelve Factorは適用すべきとも言えます。
それによってベンダーロックインから逃れることができるので。
大事なことなのでもう一回言いますが、Herokuを使うとTwelve Factorが半ば強制的に適用されます。読んでみて内容はわかるけどイマイチぴんとこない、という人は一度Herokuを使ってみると良いと思います。
最初は不便に感じるかもしれませんが、使っているうちに自然にTwelve Factorが身に付きます。
書籍の冒頭にも書いてありますが、Herokuの理念は「アプリケーション開発者の生産性を高めること」であり僕の関わったこの数年ではその理念はまったくぶれていないと感じます。
Herokuには是非ともこのままがんばってほしいものです。
本当にもうあとは日本に来てくれさえすれば何の文句もありません。