こんにちは、浅野です。
2015年もあと僅かということで、今回は2015年のHerokuアップデートで私自身が「これは」と思ったベスト3を紹介します。
第3位 GitHubインテグレーションのサポート
2015年の早い段階でパブリックベータになった機能。
提供する機能は、以下の3つ
- リポジトリ内の任意のブランチをHerokuへ手動デプロイする
- 予め指定したブランチに更新があると、自動的にHerokuへデプロイする
- リポジトリに対するプルリクエストが作られると、そのプルリクエストのコードで新たなHerokuアプリケーションを立ち上げる(Review Apps)
プロジェクト内でデプロイおじさん的なロールをすることが多く、この機能は「あれ、まだパブリックベータだったのか…」と思うくらい重宝しておる機能です。
開発用ブランチにプルリクエストがマージされたらHeroku開発環境へ自動デプロイは、外部CIサービスとの連携で実現していた方が多くいらっしゃると思うのですが、Herokuが標準でサポートしてより楽に仕組みが作れるようになりました。
第2位 新料金プランへの切り替えとそれに伴う無料利用枠の制限変更
どちらかというとネガティブな印象で広まったHerokuの料金プラン変更の話。 元々は1ヶ月で750DynoHourの無料枠が設けられていたものが、2015年6月から無料で利用可能な範囲は1日18時間まで(6時間は必ず停止する)の仕組みに変わりました。
FlectブログでもHerokuの新料金はお得なのかで取り上げたり、日々の開発がどう変わる?を注視しておりました。 フタを開けてみると、開発にはあまり影響がなくFreeDynoの利用枠はよく考えられたものだな、と思いました。 ただ、こんな風に感じるのはエンタープライズ向けにHerokuを使用している(課金して利用している)からで、 個人利用されていた方への影響は結構大きいような気がしており、Herokuがエンタープライズ分野に舵取りを始めたタイミングはここかな、と感じた次第です。
第1位 PrivateSpacesの登場
「ついにTOKYOリージョンにHerokuキター!」とお祭り騒ぎしたアレです。 簡単に説明すると、「DynoとHeroku純正アドオン系のデータ(Postgres/Redis)を、AWSの任意リージョンのVPC内に構築する」という感じです。
TokyoリージョンのVPC上に構築することのメリットは
- よく言われるレイテンシ問題(太平洋を横断する北米か、ユーラシア大陸を横断するヨーロッパか)が解決する
- データストアがパブリッククラウドからVPC内にひっこむことによる安全性の向上
あたりでしょうか。特に後者は、お客様にHeroku利用を提案した際に「パブリッククラウドにデータ置くって大丈夫なの?」とよくご質問を受ける点だったりするので、 より安心してHerokuをお使いいただけるようになるのではないかと思っております。
特に2016年のエンタープライズでのHeroku利用シーンを考えると、 Herokuの中の方が
最近Heroku Enterpriseの売れ行きが順調すぎていろんなお客様や開発パートナーからフリーランスの開発者を紹介してくれという依頼やわりと良いポジションで入社してくれる人を紹介してくれと言われることが多い。簡単なお仕事マッチングサービス作るべきだろうか #herokujp
— Ayumu AIZAWA (@ayumin) 2015, 11月 18
ともおっしゃっておりPrivateSpacesの利用が標準になると思われる、それくらい大きな出来事と理解しています。
まとめ
ということで、トップ3(私見)は以下のとおりでした。
- PrivateSpacesの登場
- 新料金プランへの切り替えとそれに伴う無料利用枠の制限変更
- GitHubインテグレーションのサポート
この他にも、パイプライン・Dockerサポート・Go言語のサポート・Heroku純正アドオンの追加(Redis、HerokuConnectデモ版)など色々な機能が追加されました。
ざっとChangelogを振り返ってみて「これも2015年からの機能か」と思うくらい1年前のHerokuよりも便利に使えるようになっています。 2016年もきっとより便利に使える仕組みが提供されると期待できます。 (個人的にはHerokuRouterの挙動が柔軟に制御できるようになると嬉しい)
それでは、みなさま良いお年を。