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2010年7月に作成された記事

2010年7月29日 (木)

集計関数

Spring '10から集計関数が利用できるようになりました。
APIバージョン18以上で使用可能のようです。

利用できる集計関数は以下の6種類。

関数名 結果
Avg 平均値
Count レコード件数
Count_Distinct nullと重複値を除いたレコード件数
Max 最大値
Min 最小値
Sum 合計値

こんな感じで↓使用します。

Select Count(Id) From Account Where Name Like 'a%'

グループ化したい場合は、Group By句と共に利用します↓

Select Name, Max(BudgetedCost) From Campaign Group By Name

Apexではクエリ結果を、
AggregateResult(複数の場合はList<AggregateResult>)で受け取り、AggregateResultオブジェクト.get('名称')で値を取得します。

集計関数の名称は↓のように付けます(maxNumが名称)。

Select Name, Max(Num__c) maxNum From Order__c Group By Name

集計関数の結果取得部分のソースコードはこんな感じ。

List<AggregateResult> aggregateList = 
[
Select
Name,
Max(Num__c) maxNum
From
Order__c
Group By
Name
];

for(AggregateResult a : aggregateList) {
Integer maxNum = Integer.valueOf(a.get('maxNum'));

// 処理
}

2010年7月23日 (金)

SOQLでのリレーションの辿り方

SQLでは動的に列を指定して表を結合することができますが、SOQLでは動的に結合することはできません(そもそも結合ができない)。

SOQLではオブジェクト間に予めリレーションを設定しておくことにより、リレーションを辿ってのデータ参照が可能となります。

ということで、今日はSOQLでのリレーションの辿り方をご紹介。

子オブジェクトから親オブジェクトへのリレーションの辿り方

子オブジェクトから親オブジェクトへは、リレーション名を使用してリレーションを辿ります。

リレーション名は、参照/主従関係のカスタム項目名 + __r となります(標準項目のリレーション名は予め設定されています)。

SOQLのFrom句には必ず基点となるベースオブジェクトを指定しますが、ベースオブジェクトから最大5段階まで親のリレーションを辿ることができます。

●親リレーションを辿るサンプル

Select 
  c.Name,
  a.Name,
  u.Name
From
  Contact c, ★ベースオブジェクト
  Contact.Account a,
  Contact.Account.CreatedBy u

親オブジェクトから子オブジェクトへのリレーションの辿り方

親オブジェクトから子オブジェクトへは、 子リレーション名を使用してリレーションを辿ります。

以前は、子リレーション名を特に指定しない場合、自動的にランダムな名称が設定されてしまい、Select Id From R00NA0000001a2bkoko ・・・などと、かなり分かりづらいSOQLを書くハメになったりもしましたが、Summer '10からは、子リレーション名が必須項目となり、そのようなこともなくなりました。

子リレーション名は自オブジェクトの複数形で付けることが一般的なようです(分かりやすいですしね)。例えば、ContactからAccountへリレーションを結ぶ場合は、子リレーション名をContactsにします。

SOQLでは、メインクエリのFrom句にベースオブジェクト名を、サブクエリのFrom句に子リレーション名を指定して、データを取得します。

ここで重要なのは、親から子へは1段階しかリレーションを辿ることはできない、ということ。指定したベースオブジェクトの子オブジェクトのみリレーションを辿ることが可能です。子の子や親の子などはアクセス不可です。

●子リレーションを辿るサンプル(ContactsがAccount→Contactへ辿る子リレーション名)

Select 
  a.Name,
  (Select c.Name From Contacts c)
From
  Account

●ベースオブジェクトから親5段階、子1段階の範囲であれば、同時にデータ取得が可能

Select 
  a.Name,
  u.Name,
  (Select c.Name From Contacts c),
  (Select n.Title From Notes n)
From
  Account a,
  Account.Owner o,
  Account.Owner.CreatedBy u

●下記のように、From句にベースオブジェクトを2つ指定することは不可

Select 
  a.Name,
  u.Name
From
  Account a,
  User u

親から子へ1段階しか辿ることができないというのは、かなり大きな制約です。データモデルの設計時には必ず覚えておきましょう。

と言いつつ、もうそろそろ、2段階、3段階と子リレーションを辿れるようになるんじゃないか?と淡い期待もしてたりします(集計関数も使えるようになりましたしね)。

2010年7月16日 (金)

連結オブジェクト

データモデルを検討していると、多対多の関係にしたい場合がでてきます。

多対多の関係の例

「学生と講座」
・学生は複数の講座を受講する
・講座は複数の学生が受講する

リレーショナルデータベースでは、多対多の関係を表せないので、
連結テーブルを間に挟んで、「1対多」と「多対1」の関係にします。

学生 ―1対多― 受講 ―多対1― 講座

上記のデータモデルにすることで、学生が受講している各講座の成績などを受講テーブルで管理できるようになります。

さて、これをSalesforceで実現するにはどうするかというと、
RDBと同じように連結テーブルならぬ連結オブジェクト
多対多の関係にしたいオブジェクトの間に挟みます。

このときに重要なのは、連結オブジェクトから親オブジェクトへのリレーションは主従関係で結ぶということ。

上記の例で言うと、「受講 ⇒ 学生」「受講 ⇒ 講座」と2つの主従関係を結びます。
片方でも参照関係で結んでしまうと、連結オブジェクトになりませんので、注意してください。

20100716_1

前回の記事で、主従関係は2つまでしか結べないという制限をご紹介しましたが、この制限内で多対多のリレーションを実現することができます。

連結オブジェクトのデータモデルにすると、
通常は子オブジェクトの項目しか表示できない関連リストに、
連結先のオブジェクトの項目を表示できて、とても便利です。

上記の例で言うと、学生オブジェクトの受講関連リストに、受講オブジェクトの項目(受講番号、評価)だけでなく、講座オブジェクトの項目(講座名、区分、分類、担当、単位数)を表示できます(↓の画像を参照のこと)。

この機能によって、まさに多対多の関係を実現できていることが分かるかと思います。

20100716_2

もちろん同様に連結先からも連結元のオブジェクトの項目を表示できます。
上記の例で言うと、講座オブジェクトの受講関連リストに学生オブジェクトの項目(学生名、性別、生年月日、入学日)を表示できます(↓の画像を参照のこと)。

20100716_3

最後に、連結オブジェクトの注意点ですが、
連結オブジェクトを主とした主従関係は結べないようになっています。

なので、連結オブジェクトで子オブジェクトの積み上げ集計項目を作ったりはできません。この制限が無くなれば、より便利になるんですけどね。

2010年7月 2日 (金)

参照関係と主従関係

リレーションには、参照関係主従関係があります。

データモデルの検討の際に、親オブジェクトが必須か否かを吟味して、
どちらかを選ぶことになりますが、両者の特性の違いは重要なので、表にまとめてみました。

参照関係 主従関係
親オブジェクトの必須 必須でない 必須
段階制限 何段階でも可能 最大3段階まで可能(親-子-孫-曾孫)
1つの子オブジェクトからリレーションを結べる親オブジェクトの数の制限 いくつでも参照関係を結ぶことが可能 2つまで可能
親オブジェクトの削除に対する挙動 子オブジェクトは削除されない 子オブジェクトは削除される
積み上げ集計 不可 可能
標準オブジェクトを子オブジェクトとするリレーション 可能 不可
カスタムオブジェクトを子オブジェクトとするリレーション 可能 可能
ユーザオブジェクトを親オブジェクトとするリレーション 可能 不可

※ 3段階で主従関係を結んでいる場合、親オブジェクトの削除により、子、孫、曾孫オブジェクトも削除される。

主従関係は、積み上げ集計やカスケード削除ができて便利ですが、最大3段階までしかリレーションを結べなかったり、標準オブジェクトを子オブジェクトとするリレーションを結べなかったりと、参照関係より制限が厳しくなっています

データモデルで主従関係を利用する場合には、この表を参考にしてみてください。

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