HerokuとDatabase.com ~SalesforceのPaaSが4本立てに~
昨年の12月6日~9日に米国で行われた「Dreamforce '10」では、
Salesforceが提供するPaaSが4本立てになることが発表されました。
「Force.com(現在提供中)」、「VMforce(既に発表済み)」に、「Heroku(Heroku社を買収)」と「Database.com」がラインナップに加わります。
以下では、4本立てとなるPaaSの概要をまとめた表と
今回新しく発表された「Heroku」と「Database.com」について紹介します。
名称 | Force.com | VMforce | Heroku | Database.com |
---|---|---|---|---|
概要 | Webアプリケーションを構築できるPaaS | Javaアプリケーションを構築できるPaaS | Rubyアプリケーションを構築できるPaaS | Webサービス経由で利用できるデータベースサービス |
リリース時期 | 提供中 | 約100社にプライベートベータ提供中。2011年正式リリース。まもなくパブリックベータ? | Heroku社により提供中(2011年1月までに買収完了予定) | 2011年 |
ターゲット | 業務アプリケーション | ソーシャル/モバイルアプリケーション |
Heroku
HerokuはHeroku社がAmazon EC2上で提供しているRuby on RailsのPaaSです。
現在、10万5000以上のソーシャル・アプリ、モバイル・アプリが動作しているようです。
・「Dyno」:アプリケーションサーバプロセス(1Dynoまで無料)
・「Worker」:バックグラウンドプロセス
・「Dedicated Database」:RDB「PostgreSQL」(5MBまで無料)
が標準機能として提供されます。
Herokuは追加機能が充実しているのが特徴です。
下記のような機能を、メニューから選ぶだけで利用することができます。
名称 | 概要 |
---|---|
Exceptional | アプリケーションに発生した例外処理を監視するサービス。 |
Release Management | アプリケーションのリリース管理サービス。ロールバックなどが可能。 |
Sendgrid | 大量のメールを送信できるサービス。 |
Websolr | アプリケーションの検索機能を組み込めるサービス。 |
memcache | インメモリー型データベース |
Redis to Go | インメモリー型データベース |
Cloudant | ドキュメント指向データベース「CouchDB」 |
MongoHQ | ドキュメント指向データベース「MongoDB」 |
ちなみに、買収後にどのように変化するのかについては、まだ情報がありません。
動作環境がAmazon EC2のままなのか、Force.comとの連携はどうなるのかなどは、不明です。続報を待ちたいところです。
Database.com
Database.comはForce.comのRDB部分を単独のサービスとして提供するものです。VMforce(JPAでアクセス)やHerokuからも利用可能です。
下記に、特徴と料金をまとめてみました。
○特徴
・REST、JPA、SOAPなどのAPIでアクセス可能。
・Webブラウザからスキーマ定義が可能。
・サードパーティのツールを利用すれば、コマンドラインからSQLで直接操作も可能。
・認証プロトコルとしてOAuth2、SAMLが利用可能。
・Java、.NET、PHP、Ruby、iOS、Androidなどに対応したツールキットが提供される。
・自動的にスケールする。
・自動的にバックアップされる。
・自動的にレプリケーションされ、障害発生時は自動的にフェイルオーバーが行われる。
○料金
無料 | 追加料金 | |
---|---|---|
レコード数 | 100,000レコードまで無料 | 追加100,000毎に、$10/月 |
トランザクション数 | 50,000/月 まで無料 | 追加150,000毎に、$10/月 |
ユーザ数 | 3ユーザ まで無料 | 追加1ユーザ毎に、$10/月 |
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